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Posted by - 2024.05.02,Thu
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Posted by RRD ◇3MranranlY - 2008.05.22,Thu
「単なる共依存では?」

静岡シネギャラリー5月22日15:10の回。客入りは20人ほど。

時間と等価の空気を味わう映画だね。
早くルームメイトのもとに行きたいのに、つまらない話に付き合わされていらいらする、それをイライラしている役者の演技ではなくて、実際につまらない話で時間を潰して客をイライラさせることにより表現して、いかにもカンヌが喜びそう。

この2人って女の子特有の共依存なんじゃないの?
片方も「しっかりもの」に見えて、きっちり相手に依存してる。
気をもんで、尽くして、自分の存在価値を確認して、今回の出来事もいつものこととして片付けて、またいままでどおりの日常が続いていく。

チェウシェスク政権でセクハラまがいの出産奨励という時代背景がうんぬんという能書きもあるんだろうけど、この映画からは当時のルーマニア特有の社会的な事情はまったく感じられなかった。
ただ堕胎が非合法化されているだけの話で。
堕胎に加わることで独裁政権に反旗を翻すとか、そう見えたらよっぽど能書きに毒されてると思う。
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Posted by RRD ◇3MranranlY - 2008.05.21,Wed
「満足度高いが前作は必見」

静岡オリオン座で19:00の回。客入りは40人強。
正直なところ前作イマイチだったので期待はしていなかった。

一応一話完結ではあるんだけど、ナルニアとかアスランとか、そのあたりのま説明がまったくないから「ライオンと魔女」を見てないと結構置いて行かれるかも。
ただ、前作を見てたら今作の満足度は相当高いと思う。2時間半の時間を感じさせない。

4人とも大人になったね。最初から強いから戦闘シーンも納得だし、絵にも手抜きがないし。単純なストーリーなんだけど飽きさせない出来。
つってもそれはナルニアの世界観が分かってるからで、初見だったら木とか川とかで決着がついてポカーンになるかも。
悪いことは言わん。DVDで前作見とけ。
Posted by RRD ◇3MranranlY - 2008.05.17,Sat
「ヤンキーの長所と短所が一目瞭然」

静岡ピカデリー2で21:40の回。客入りは20人ほどとそこそこ入ってたけど、映画としては微妙。

もうちょいキャラの立ったコメディーっぽいのを期待していたせいもあるけど。
チャーリーとガスの初対面での出たり入ったりとか、全編あんな感じだと思っていて、その期待に代わるものも特になかった。
アフガニスタン問題の知識がなければないほど賢くなった気にもなれるんだろうが、正直なところ肩透かし感を味わった。断片的な知識をストーリーとして認識できるようにはなったけど。

格言の「塞翁が馬」の話が禅の師匠の話として出てきていた。奴らにとって
東洋の神秘はすべてzenなんだろう。その程度の聞きかじりの大雑把な認識で、当事者意識を持って熱くなって世界をいじくりまわしてロクなことになってない、ってのが謀らずも描かれてた。
そういうところがヤンキーの長所でも短所でもあるんだろうけど。
Posted by RRD ◇3MranranlY - 2008.05.13,Tue
「誰のせいでもないのかもしれない」

シネギャラリー右側で18:15の回。客入りは18人。
3時間、全然長くなかった。
社会的なうんちゃらよりも、密室での心理劇がすごい出来。
密室で孤立すると先鋭化する、これは古今東西を問わず繰り返してきた歴史だけど、その過程をここまで精緻に描いたことに価値がある。
一つ一つの「総括」をたっぷりの時間をかけて描いているからこそ見えてくるものがある。
たとえば、はじめは「相手のために」自らの拳を痛めて顔を殴打する。しかしそのうち殴っても拳が痛まない腹を殴り、痛みにくい足で蹴り、最後には刃物。だんだん肉体的にも心理的にも楽に殺せるように自然に移行しているところとか。
心理的な追い込み方も洗脳のテキストを見てるようだった。大声で自己批判を求めて徹底的に「なぜ」を突きつける手法は原始的だけどよく効きそうだ。

ただ森がこういう手法を取ったのは決して洗脳の知識があったからではなく、自らの逃亡歴を覆い隠すための虚勢の余禄であることは明らか。
永田の理屈も全然筋が通ってないけど、強者の庇護の下で大声で通せば支配力を生む。
そして場の空気と言うものが出来、その空気の中で「囚人のジレンマ」、つまり個々の最適な選択が全体として最適な選択とはならない状況(wikipediaより)が生まれる。
そのことが森や永田をさらにエスカレートさせる。

この映画の最後は「結局みんな弱かったんだよ、ヽ(`Д´)ノ ウワワーン」で終わるわけだけど、それは違うと思う。その場その場で行ったのは命がけの選択、それ以上のなにを求められるというのか。
ただ全体としての最適な選択にならなかった、必死で生きるということの極北に迷い込むとこういう末路もありうる、ということだろう。

これは森や永田にしても例外ではない。彼らにしても場の空気に流された存在だ。
必死に生きることを求めて、流れ着いた場の空気に触れたがゆえの罪ならば、必死に生きることすら罪になりかねない。

リンチ殺人は許されない、というのは正論だがこの映画を見てもまだそれしか言えないのであれば、それは不幸なことだと思う。
Posted by RRD ◇3MranranlY - 2008.05.10,Sat
「日本にはない、黒歴史をエンターテイメントに出来る強さ」

静岡ミラノ2で19:35の回。客入りは6人。少ないっちゃ少ないけど、雨も降ってたし、下手すりゃ貸切かと思ってた。
この6人のうちの何人が涙したかは分からないけど、場内が泣いてる雰囲気は客入り6人の映画とは思えなかった。6人ともが明るくなるまで残ってたし、4人は明るくなっても立ち上がる気配もない。
それくらい叩きのめされる映画だ。

なにに叩きのめされるかといえば、まず、巻き込まれる理不尽さに。次に戦いでの無力さに。さらに愛するものの重さに。そして命を輝かせる誇りの美しさに。

決死の決戦を前に故郷に向かって土下座。こっちじゃなかった、向うだ、いや俺の故郷はこっちだけどお前のは向うだ。で、背中合わせで土下座する姿は滑稽、で、振り返ると号泣してるとか、このあたりの笑いで弛緩させて泣かせに持っていくことろは本当に韓国映画に共通する上手いところだし、そんな泣かせ芸には事欠かない。

描写としては残虐さが目に付く。ただ必要な水準での残虐さではある。丸腰の市民への無差別発砲。直前には兵士の人間味が描かれる。これは多くの武力弾圧で記録されている普遍の出来事といってもいい。命令ひとつで人間ではなくなる兵士、それを育てたのが市民軍を率いたアン・ソンギである矛盾。その最期は当初から予言されていた。「暴徒と区別が付かないから送ろう」と。
アン・ソンギの教えは軍の中で通されたのか、途絶えたのか。支配者に都合のいい部分だけ残ったのだろう。

事実を基にしているとはいえ、コミカルなやりとりも交えて恋愛・兄弟愛・親子愛を描いたフィクションであることを忘れてはならない。時々フィクションであることを忘れさせる出来ではあるが、市民武闘派ともいうべき存在に肩入れしすぎたがゆえに、違和感を感じさせる部分も少なくなく、その違和感が「あ、フィクションだっけ」と目覚めさせる役割を果たした。
その最たるものが、「私たちを忘れないでください」という街宣。市民の大多数と「私たち」が乖離している事実をクライマックスに突然突きつけられる。主要登場人物の周りしか描かれていないために、全体がどうなってるのかがまったく分からなかったし、その描写はこのストーリーに都合が悪かったのだろうとも邪推する。
当然のごとく関わったであろうし、特殊部隊を送ったとも言われる北朝鮮についてはまったく触れられていない。

こうした事件の本質は自己を通して散っていった者にではなく、運動に関わり傷つきつつ闘い通さずに生き延びた大多数の者にあるのではないかと思うし、最後に印象的に映された、生き残った者だけが悲しみの瞳で写る写真がそのことを表しているのだろう。

それも黒歴史を直視してエンターテイメントに出来るまで消化できるからこそ描ける境地。
一方で日本人は黒歴史を直視できず逃げ回ってるだけ。
謝罪して逃げる奴、開き直って逃げる奴、無知で逃げる奴、屁理屈で逃げる奴。
その上にくせに「韓国はなにするか分からない、丸腰の自国民を銃撃しちゃうから怖い」なんて書いてるのを見ると恥ずかしいとすら思う。
こういう奴は大正の米騒動で同じように日本軍が丸腰の市民に発砲して30人ほど死んでるなんてことも知らないんだろう。
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