マクドナルドのハンバーガー

マクドナルドでハンバーガーセットを乗せたトレイを持って客席に向かいかけて、カウンターに戻ろうとしてやめて、客席に向かうんだけど、やっぱり回れ右をして、その直後にさらに回れ右をして客席に向かおうとする挙動不審な三十路の男は、傍からはどう映るだろう？

生まれて初めてマクドナルドのハンバーガーを食べたんじゃないかと思う。
もちろんハンバーガー類は普段食ってる。ハンバーガーというメニューになると記憶にない。
といってもハンバーガーを食べたい！という欲望があったわけでも、食べよう！と決意したわけでもない。事故だ。

そもそものキッカケは2時からクーポン。夕方から夜にかけての需要を伸ばすために、かなり破格の値段でセットメニューを食える。
夜からマクドナルドって確かに俺も使わない。学生のころにマクドナルドでメンテのバイトをしていた時くらい。いくらお得なセットでも晩御飯にハンバーガーってのは・・・。

でもアップルパイとコーヒーのセットもあるとなれば話は別。これが150円つーから驚くよ。コンビニの前でたむろして缶コーヒーを飲むのに比べたら天地の差。ミスタードーナツなら451円だよ。確かに味は違うけど、300円の差はないよ。
パイとコーヒーの組み合わせに特別な思い入れが出来たのは「ツインピークス」のクーパー捜査官の影響。でも日本でチェリーパイを食うのはなかなか至難の業。

つーことでアップルパイ＆コーヒー150円ってのは天から舞い降りた天使のプレゼントみたいなクーポンなのよ。実際には携帯に送られてくるんだけど。
で、うきうきしながら携帯の画面メモのクーポンを見せて「これでお願いします」とか言うわけよ。ところが気がはやってるから店員がまだ前の客のゼニをレジに仕舞ってたりしてさ。ちょっと気まずい時間が過ぎるうちに携帯が省エネモードになって画面が暗くなったりして。
改めて注文、ちょっと待ってブツがトレイに乗せられて渡される、目で空席を探して、さあ、と思った瞬間に気づくわけよ、トレイに乗ってるのがハンバーガーだってことに。

どうするよ？違うよ、って言いに行こうとしたときに思ったのよ。これ、実はアップルパイじゃないの？って。でもやっぱり青い紙にハンバーガーって書いてる。次に思ったのが、実はハンバーガーのクーポンを見せたんじゃないの？って。
この逡巡が結局挙動不審の原因なわけ。で、携帯を見たらハンバーガーとドリンクで150円ってクーポンが表示されてるわけよ。なんでー？

パサパサぺったんこバーガーを食いながら思い返すに、クーポンを見せるときに省電力モードになってて見にくいだろうからって気を使ってボタンを押して明るくしたのよ。そのときに押したボタンのせいで別のクーポンが表示されたんだわ。

ま、しょせん俺の気配りとか配慮っていつもこんなもんよ。
相手には伝わらず、自分だけがダメージを食らって、かつ、望んでしてることのように見られるという・・・。
俺は気配りなんかしねー方がいいのかも。俺の配慮は誰をも幸せにしない。今日だけは心からそう思ったね。